構 成 *小林建築 徳職建会会員一同   
ハウスメ−カ−とロ−コスト住宅の秘密
3/徳職建会協力業者
 
1/木の特質を知ろう     
1・木の持つ調湿機能 
私達が生活する上で本来快適とされる湿度の範囲は夏冬共に40〜60%以内の範囲にあるとされています。
日本には四季があり、梅雨時期には湿度が60%以上にもなり、冬の乾燥時期には湿度が40%以下に
なることもあります。この為に日本は、一年中を通して快適に感じることが出来ない為に、私達は換気扇や、
除湿機、加湿器を使用してきました。その不快さを少しでも取り除こうとする力を持っているものには、
機械以外にも代表的なものに木があります。木は山で育った性質を、住宅の一部となっても持ち続けます。
その中に調湿機能があります。
例えば、3Mの長さで105mmx105mmの正方形の柱は、室内に湿気が多い時には、約ビール瓶2½の水分
を吸収することが出来ます。又、湿気が少ない時には約ビール瓶2本の水分を吐き出して、室内の湿度をうまく
調整する機能を生まれながらに持っています。これが、「木は呼吸する」といわれる由縁です。  

ビニールの部屋             木の部屋            木とビニールの部屋

92%の湿度から

20%まで低下

乾燥剤

59%の湿度から

55%まで低下

乾燥剤

62%の湿度から 

52%まで低下

乾燥剤

それぞれの部屋に乾燥剤を入れた結果、「ビニールだけ」の場合は、湿度が20%まで下がり、
これでは乾燥し過ぎになり快適とはいえません。
「木だけの場合」は、湿度は下がりますが、快適に近い一定状態を保っています。 
「木とビニールの場合」は、「木だけ」の時よりも湿度が低下する結果になりました。
このデーターから見ても木は、調湿機能があるといえます。 
2・木の含水率って何のこと? 
よく住宅の雑誌等に書かれている「含水率18%以下の木を使用」というのは、木材自身が含んでいる水分の
量のことを指しています。少し具体的に説明すると、木は一般に乾燥すると繊維内部にある細胞間の自由水
(木の表面に近い水)が失われ、その後細胞内にある結合し水が失われて、絶水状態になるといわれています。
この経過の中で、自由水が失われ細胞の中の結合水だけが残っている状態を、含水率として表しています。
想像しにくいですが、例えば平均温度20度、湿度75%の時は、含水率が15%で木は狂いが少なくなり、
住宅に馴染む安定した状態になるといわれ、含水率は30%を境にして増えるほど、乾燥収縮率が大きくなります。
木が呼吸をするのには、自分自身を保つ、生きる上で必要不可欠な理由があるからです。 
3・熱(暑さ寒さに対応) 

     
木は熱を伝えにくい材料です。手で触れた時、鉄やコンクリートのような冷たさは感じません。
その理由には、熱伝導率が大きく関わっています。 

熱伝導率とは何のこと?
材料内の熱の伝わり易さの事で、この値が大きければ大きいほど熱
伝え易くなります。例えば、木の椅子に座った時と、鉄の椅子に座った時では、
体に感じる冷たさが違います。
これは、鉄の椅子の方が人体から奪う熱量が極端に木よりも多いからです。
専門用語で言うなら、鉄の熱伝導率の値が木よりも大きいからです。
又、比重(重さ)が大きいほど熱伝導率は大きくなります。                                 
4・光(森林浴をイメージ) 
木は紫外線を吸収して、目にも優しい素材です。私達が森林を求めるのには、
「癒しと安らぎ」があるからではないでしょうか。
木々のすがすがしい香りは心身に心地よく作用してくれます。そこには、
住宅に使われる以前の、本来の姿があります。
木は伐採されてから住宅として、「第二の人生を始める」といわれています。
私達は、常々から生活の中にも「癒しと安らぎ」を求めていると思います。
木々は私達にとって、心のエネルギー源です。
5・音と衝撃 
木は音を吸収し外部に透過せず、まろやかな余韻が残る反響を造ります。
又、木は大理石やコンクリートの床に比べると、2〜3倍も衝撃吸収力に優れています。
例えば、激しい運動をする体育館の床のほとんどは、木製で出来ています。  
6・木は環境優等生 
木を伐採することは地球環境破壊につながるのでは、、と心配になりますが、
伐ったら植えるということを続けていければ、無限に再生可能な資源になると思います。
二酸化炭素の排出を削減するためにも、木の性質を十分理解して積極的に活用していきたいものです。 
7・木の短所(欠点) 
・腐る=木を殺して使うな、生かして使え 
木は辺材柔らかい(白太)部分と心材硬い(赤身)部分とで出来ています。
木は、過剰な湿度のもとになる要因があれば、腐ったり蟻害に合ったりする場合もあります。
だからといって木全体が腐ってしまうわけではありません。
材種や使う場所にもよります。被害を受けやすい土台や柱には、
害虫に強い抵抗力を持つヒノキやヒバ材を使うなど適材適所での使用を考えれば、
木の寿命は長くなり、建物を長持ちさせることにもなりますが、木は他の鉄、
コンクリートなどの材料や、どの物理試験の特性をとっても、優等生にはなれません。
だから、一つの性能だけで見ると、木よりも他の代替材料のほうが良いと思うかも知れません。しかし、
長く使ってみると、やはり木には捨てがたい良さがあります。
各試験の成績が中位でも、バランスの取れている木は、最も優れた材料の一つということがいえると思います。 
・木のくるいとくせ 
自然の立ち木であった木は、壮絶な自然の雨、風、雪、暑さ、寒さにさらされ、
自然の木から建物の木へ生まれ変わらせるために、体質改善を自らしてきましたが、
人々の性格が十人十色であるように、建物の木になっても、育った山の条件によるくせを持ち続けます。又、
木の狂いを少なくするのにも、木を生かして、自然に逆らわずに使うことが大切です。 
・燃える 
木材自体は、燃えても有毒ガスを出しません。火事になれば木は燃えますが、新聞紙を燃やす様に、
いきなり燃え上がる訳ではありません。火災の発生確率は、小火まで含めて900年に1度といわれています。
木材の特徴は、燃えてから木材内部に燃える為に必要な酸素を、運びにくくする炭素化という性質を持っています。
木材が燃えて炭素化する深さは、1分間に0.6mm程度です。これで、木材内部の燃焼を防いでいます。 
・木の老化 
木は年を重ねるごとに古くなりますが、これは、日差しや雨、風による風化が原因になっています。
風化は、木材の色を褐色に変え、古くなっていきますが、一カンナかけた中身は、
新築同様にその姿を残して生きています。古臭い感じもまた、深い味わいともいえるのではないかと思います。
又、古さと強さの関係でも木は経年変化の過程では、衰えない強さを持つことが分かっています

8・マウス実験(子マウス23日間) 

 

生存日

開眼日

子宮

卵巣

精巣

85、1%

15、6日

31、6mg

5、93mg

57、1mg

金属

41、0%

18、1日

14、3mg

3、42mg

33、8mg

コンクリート

6、9%

17、9日

11、5mg

2、43mg

31、2mg

コンクリートで生まれた子マウスは、130匹生まれて生き残りがわずか9匹という結果が  出ています。
・無意味な行動を起こす回数
        80 金属      230 回
コンクリート 290 回

伐ったら植える

中に椅子が木は生きている

 
無意味な行動は、ストレスのたまり具合からくるとされています。木と金属、コンクリートでは、
倍と半分のストレスになります。このような、動物でも意識的ではなく、本能的に不快を感じ、
影響が出てしまう結果は、私達が受ける影響に置き換えてみると、多種の不快要  因となることは、
事実ではないかと思います。しかし今日でも、鉄筋や、コンクリート造りの家に住む人が沢山居ます。
この様な建物内部で結露が起きれば、酸化による腐食の問題も出てくると思います。木は呼吸をしますが、
鉄やコンクリートは呼吸することが出来ません。行き場を失った水分は、室内の壁などにカビという姿で
現れて来ることも考えられます。木の欠点は、十分に補い再生が可能ですが、
鉄やコンクリートは、補うことが困難です。 
*木の特質についてのビデオ(福島県作成)も有ります、ご覧になりたい方には、
貸し出しもしています。お気軽にご一報下さい! 
9・私の意見(自然に還る) 
人は自然の中で育まれ、自然をもとにした生活をしてきました。しかし、次第に自然から離れ、
自ら作り出した多くの人工物に囲まれる暮らしの中で、地球環境そのものまで壊してしまいそうな状況になっています。
そして、人々は今再び自然への志向を高めつつあります。
日常から離れ、野山や森を歩く時そこにある色、空気、風、香り、音などに生き返ったような心地が
する人は少なくないと思います。自然のイメージを共有するためか、緑には多くの人がプラスの印象を持ちます。
又、余談ではありますが、今日の私達の生活は、時代の流れと共に劇的な変化をして「進化」しています。
当然建築にも同様な事が起きていますが、
人々の健康や子孫繁栄を願うならば、やっぱり木造の古から伝わる在来工法での建築が、
これからも必要になると思います。
末永く幸せに生きていきたいし、何よりも次の世代に残したい想いと願いです。古き良き物を新しきに取り入れ、
伝える事が、私達木造に携わる人達の役目だと思っています。又、「木の事を語りだせば木りが無い」のですが、
ほんの少しの木への関心と、見直しを持って頂ければ幸いに思います。 

先日こんな新聞記事が載っていました 
       木材の特質と良さ 


 

木は、何年経っても 生きている 
木材含水率測定器による測定 

      
  

含水率計は、11.5% 
を示している 

         

      構 成 *小林建築

 
      

                
            まだまだ沢山の資料があります。今後の記載をお楽しみに。